のほほん六浪日記

すべてがかなしい

ひとりぽっちで学ばせて

学校で友達ができないまま一学期が終わった。

 

2か月前、学校生活が始まって2か月が経つのに未だにクラスの人たちの顔が殆ど分からないのは流石に人間関係に支障が出ると思い、学級会に顔を出した。

その日は少し勇気を出して、4人もクラスで喋れる人たちができ、5人で学級会を先に抜けて一緒に帰った。友達ができたと思った。

それ以降、授業で必要最低限の少しの会話はあれど、「友達同士の会話」と呼ぶべきものはまるでなかった。学級会で話した子らは、どちらかと言うと自分では話しかけてこないような子らで、ぼくもまたその様であった。

友達がおらず、独りでずっと行動する。これはぼくにとってそこまで苦ではなかった。というのも、変に仲良くなってこちらの個人情報を知らせ、年齢が大分離れていることがばれることの方が嫌だった。だから、独りでいるのは別につらくない。そう思って過ごした。

 

体育の授業で同じチームのある子と少しだけ話すようになった。彼はその競技を高校までやっていて、ぼくは殆ど未経験であったため、授業後の更衣室まで向かう道中にどうやったら上手くできるかを教えてもらったり、勉強のことを話したりした。彼は体育の後に次の授業があり速く着替える必要があったから、ぼくらはチームでの練習時や更衣室までの短い間しか話さなかった。このくらいの距離感が丁度良いと感じていた。

体育の授業の最終日、授業前に更衣室に入ると、彼はぼくを偶々見つけたのか、肩を叩いて親し気な挨拶をしてくれた。彼のこのようなことはそれまでになかったから驚いた。振り返れば、その前の週に着替えの必要のない座学の授業があり、同じタイミングで教室棟から出た際に、ぼくは彼にさよならの挨拶をした。それを受けて今度は彼が挨拶をしてくれたのかもしれない。彼と友達になりたいと思った。先に着替えた彼を追い、運動場までの道中に何か話したいと思った。授業前の各自の遊びのような練習を一緒にしたいと思った。

しかし、そのどれもできなかった。近付いて自分を知られるのが怖かった。元々反応が薄いのもあるが、彼のその挨拶に対し相応な返事すらできなかった。

 

友達ができないまま一学期が終わった。二学期の体育も、彼との再会を望んで一学期と同じ種目を選ぼうか悩んでいる。